アートと呼ばれる絵画はチャレンジングです

絵画には色々なカテゴリーがありますが、アートと呼ばれるカテゴリーは、一般的に時代を先取りするような前衛的な作品を指します。一見しただけではどこが良いのか分からない。一度見ただけでは良いのか悪いのかという判断すらつかないといった、チャレンジングな作品が多いのが特徴です。従ってアート風の絵画では、見る人によって感じ方や評価が違うものです。前衛的な作品を見ると、理論的に説明できないけれども思わず立ち止まってしまう作品に出会うことがあります。具体的には、作品が何か自分に訴えかけてくるようだ、良い悪いは別として一度見たら忘れられない作品だ、この作者は作品を通じて何かを伝えたいのだろうということは理解できる、などのように、アート作品の鑑賞では漠然とした印象が残ることが多いものです。本来、絵画をはじめとする美術作品は主観的にみるべきものです。

周りの人が全く良いとは思わないという感想を抱いても、自分だけはこの作品がとても好きだと感じることが美術作品を鑑賞する時に大切なことです。しかし、既にこの世を去っている高名な画家の作品で、歴史的に評価が確定している作品を鑑賞する時は、これまでの作品の評価による先入観が強すぎて、自分だけの感想を抱くことが少ないという現実があります。このことから、絵が分かる、絵が分からないという言葉が出てくるのです。美術の世界で分かる、分からないで区別されるものはありません。本来の絵画鑑賞とは、自分の目で見て、素直な気持ちで好きと思うか嫌いと思うか、良いと思うか悪いと思うかだけがあるのです。アートと呼ばれる絵画の魅力は、自分だけの評価を作品に与えることができることです。アートは美術館だけに展示されているものではありません。地下道の壁に作品が展示されることもあれば、街角のギャラリーや、ビルのロビーなどでも特別展が開かれていることがあります。作者の名前を知らなくても、作品の名前を憶える気持ちがなくてもアートは自由に楽しむことができます。現代の時代に受け継がれている絵画の名作も、その作品が発表された当時には、前衛的で良いのか悪いのか分からないという評価を受けた作品も多いはずです。

なぜなら、芸術とは革新性こそが最大の魅力だからです。そして芸術家とは、既存の価値観にこだわることなく、新しい価値観を創造していこうとする人達だからです。従って、今の時代に発表される作品が100年後に歴史的名作になることもあり得るのです。